漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)は、エドモンド・ジェイコブソンが開発したリラクセーション法で、
筋肉の「力を入れる」と「力を抜く」を繰り返し行うことにより緊張をほぐしリラックスに導く方法です。
一次的な緊張の緩和だけではなく、力を入れた「緊張」と力を抜いた「弛緩」の感覚を自分の中で
感じられるようになると、余分な緊張をセルフコントロールできるようになります。
それがこの療法の目的です。
漸進的筋弛緩法の手順
基本動作
- ①:こぶしや腕など全身各部の筋肉に約10秒間グッと力を入れ緊張させます
- ②:力を抜き約15~20秒間、筋肉の緩んでいく感覚や脱力感に注意を向けます
- ③:全身の各部位ごとに①と②を繰り返し、弛緩した状態を体感・体得していく
☆楽な姿勢をとる
立った状態でも問題ないですが、仰向けに寝るか、椅子に座っておこなえると感覚がつかみやすいです。
各部位の手順
両手
- 両腕を伸ばし、手のひらを握り込んで握りこぶしをつくります
- ゆっくり力を入れていき、力強くギューっと握り締めます
- そこから約10秒間、力を入れ緊張を持続します
- 手をゆっくり広げ楽にします
- 筋肉から力が抜けていく感覚や筋肉の緩みに注意を向け約15~20秒間この状態を味わいます
- 1~5を2.3回繰り返す
そのほかの部位は緊張させる方法をだけを記載します。両手と同じ手順で実施します。
●上腕:握り拳をつくり肩に近づけ、力こぶをつくり腕全体に力を入れる
●背中:上腕と同様に力こぶをつくる形で左右の肩甲骨を近づけるように両腕を後ろに引っ張る
●肩:両肩を上にぐっと押し上げて力を入れる
●首:強めに首を左右にひねる。※片方ずつおこなう。傷めないように注意
●顔:口をすぼめ顔全体を顔の中心に集めるような意識で力を入れる
●腹部:左右の手のひらを組んで腹部あて、手で腹部を押す。その手を押し返すように腹筋に力を入れる
●足:爪先を伸ばし力を入れる/つま先を膝に近づけるように力を入れる
●全身:全身各部の筋肉にまとめて力を入れる
ポイント
- 力を抜くときは吐く息と共にどんどん力が抜けていくイメージで
- 焦らずゆったりとしたペースを保っておこなう
- 各部を進めるのが基本ですが両手や腕だけでもOK
- 全身まとめておこなうのは各部の弛緩に慣れてきてから
漸進的筋弛緩法は、伸びをする時の動作に似ています。勉強や仕事で一息ついたときに、
グ~っと両腕を上げて腕や肩に力を入れてハ~っと力を抜く。
この伸びの動作も何気なくおこなわれているカラダの緊張をほぐすリラックス行動です。
それをより科学的に体系的にしたものが筋弛緩法というリラックス法です。
過緊張を予防するには、日々のストレスにこまめに対処し、緊張状態を引きずらないことが大切です。
ここでは、過緊張を予防する方法を紹介します。
3つの「R」を実践する
過緊張の予防には、ストレスの要因となるストレッサーと向き合い、上手く対処する工夫が必要です。
ここでカギとなるのが、「 Rest(レスト)」「Relaxation(リラクゼーション)」
「Recreation(レクリエーション)」の頭文字を略した3つの「R」です。
以下で3つのRについてお話ししますね。
Rest(レスト)
緊張を緩めるためには、気持ちを切り替えるための休憩(レスト)をとることが重要です。
「自律神経を整えるために十分な睡眠をとり、心身ともに休むことが最も有効です。
ただ、過緊張の人に『寝てください』といっても逆効果になる場合もあります。
そこでおすすめしたいのが、仕事の合間に意識的に休憩を取ることです。
30分に一回深呼吸をしてみる、コーヒーブレイクの時間を決めておくなど、
緊張を緩める時間を確保するようにする」
Relaxation(リラクゼーション)
ここでいうリラクゼーションとは、「気持ちを楽にできる、リラックスできる時間をとる」ということです。
「先ほどの対処法でも紹介した、呼吸法やマインドフルネスなど、副交感神経を高めるリラックス方法を
日頃から実践してみてください。
また、ストレッチや入浴など、自分の気持ちが楽になる行動をいくつか見つけておくとよいと思います」
Recreation(レクリエーション)
過緊張をほぐし、自律神経のバランスを元に戻すためには、心から楽しめること(レクリーション)をすることも
大事です。
「積極的に活動することで、ネガティブな感情からポジティブな感情へと切り替わり、自律神経のバランスが整います。
ポイントは『毎日できる』ことです。用意や片づけが簡単、お金もさほどかからない、
アロマやジョギングなどがおすすめです。
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